来年のシリアの死者数は10万人に ブラヒミ氏が警告
(CNN) シリア内戦の和平調停にあたっているブラヒミ国連・アラブ連盟合同特別代表は30日、急速に悪化するシリア情勢について緊急警告を発した。
ブラヒミ代表はエジプトのカイロで行われた記者会見で、「(シリアでは)過去約2年間で5万人ほどが死亡したが、来年1年間の死者数は2万5000人では済まず、10万人に達するだろう」と述べ、「死者数は急速に増加している」と付け加えた。
さらに代表は「まだ解決は可能だが、日に日に難しくなっている」とし、「2011年にわれわれがもっと慎重にこの紛争に対処していれば、はるかに容易に解決できていただろう。今は、大幅に困難になっているのは間違いない」と述べた。
反体制派の地域調整委員会(LCC)によると、29日にはシリア全土で少なくとも397人が殺害されたという。また30日には少なくとも子ども10人を含む143人が死亡した。
LCCによると、29日にホムス郊外のデイル・バールベーでシリア政府軍が反体制派との戦闘に勝利した後、200人以上を拘束し、殺害したという。その後、政府軍は大量の遺体を焼いたと見られ、ある反政府活動家によると、現場から2キロ離れた場所でもひどい悪臭がしたという。
シリア国営テレビは、デイル・バールベーで戦闘があったことは認めたが、シリア政府軍が殺害したのは「数人のテロリスト」としている。