訪中の鳩山元首相の尖閣「係争地」発言に批判、国賊の指弾も
中国のメディアは元首相が記念館で頭を下げ、黙祷(もくとう)を捧げる姿の写真を載せ、「日本の戦争犯罪を謝罪した」と大々的に伝えた。
米テンプル大学日本校のアジア問題研究の責任者ジェフ・キングストン氏は鳩山氏の記念館訪問は中国国民の目には大きな価値があるものとうつり、日本の国民全員は戦争中の行為を忘却しているとの中国内の主張を弱めるものだと指摘。鳩山氏の訪問は日中関係に武力的な威嚇(いかく)なととは異なる角度から方向性を与える試みだったとも分析した。
元首相による南京大虐殺記念館への訪問は中国のソーシャルメディアで広範な議論を呼んだ。インターネットでは意見調査も実施され、22万2000人以上の8割が、旧西ドイツのブラント元首相がポーランドの首都ワルシャワのユダヤ人強制居住地で示したひざまずいての謝罪と比べ、大きな政治的意味合いはないと応じていた。
また、別の設問に対しては14万人のうちの約3分の2が鳩山氏の今回の行動は他の日本の政治家への規範とならないと答えていた。