改ざん問題に揺れる中国紙、通常通り発行 騒動後初
北京(CNN) 中国当局により同国の週刊紙「南方週末」の記事が改ざんされ記者らが抗議していた問題で、同紙は10日、騒動後初めてとなる紙面を通常通り発行した。
今回の騒動は、同紙の元記者らが広東省共産党委員会の宣伝部長による記事改ざんを指摘する公開書簡を、ネット上で公開したことから始まった。元記者らは同紙の新年特別号に掲載予定だった憲法上の権利の尊重や改革を呼びかけた記事の改ざんなどを指摘し、当局に抗議していた。
中国では新聞が検閲の対象になるのは珍しくないが、元記者らは共産党への賞賛といった内容を含む今回の改ざんは行き過ぎていると批判。書き換えが校了後にひそかに行われたことにも反発した。
インターネットを介して南方週末への支持はすぐに広がった。作家の韓寒(ハンハン)や俳優の陳坤(チェンクン)といった有名人も、ネットで南方週末を支持する発言を行った。
同社の本社前でも抗議活動が行われた。集まった人々の中には報道の自由を求めるポスターを掲げる人や、「報道の自由の死を悼むために」花を持参した人、メディアの口封じを象徴するマスクをつけた人がいた。情報がすぐに広がるネット時代では、南方週末を廃刊に追い込むことも、集会に参加した人々を逮捕することも容易ではない。
一部のメディアでは南方週末の編集長や広東省の宣伝部長の解任が報じられたが、確認されていない。