アサド政権存続の可能性「薄れつつある」 ロシア首相
(CNN) ロシアのメドベージェフ首相は27日、CNNの番組に出演し、内戦が続くシリア情勢について、アサド大統領が政権を維持できる可能性は薄れつつあるとの見方を示した。
メドベージェフ首相はスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムでCNNの取材に応じた。この中で、長年にわたって武器を供給してきたシリア政権と距離を置く姿勢を示し、「最初から、ロシアはシリアのアサド大統領の排他的同盟国ではなかった。我々はシリア大統領およびその父と良好な関係にあったが、アサド大統領は欧州にもっと緊密な同盟国があった」と語った。
さらに、ロシアは「現政権の維持を目指すと言ったことも、アサド大統領を権力の座にとどめようとしたこともない」と述べる一方、「それはシリア国民が決めることだ」と話し、外国がシリアの指導者選びに介入すべきではないとの主張を繰り返した。
メドベージェフ首相はまた、反体制派とアサド政権の双方が交渉を拒否していると非難した。アサド大統領に対しては改革を受け入れるよう個人的に働きかけもして、抵抗姿勢が「致命的ではないにしても、重大な」過ちだと説いたと説明。「アサド大統領が存続できる可能性は日ごと、週ごとに薄れている」とした。
ただしアサド政権が崩壊した場合、後継を巡る争いが「何十年も」続くかもしれないとも警告。イスラム武装勢力がこの機に乗じてロシア南部に勢力を拡大する可能性について質問されると、欧米諸国にとっても同じ懸念はあると述べ、「我々すべてが憂慮すべきことだ」との認識を示した。