「ムチ」には反発一辺倒の北朝鮮 打開の道はどこに
しかし、体制維持の努力と経済改革の追求が相反する関係にあるというジレンマも北朝鮮は抱えている。
本格的な国の開放は、現体制の正統性や安定性を揺るがす政治的・経済的変化をもたらしかねない。一方では、核抑止力やミサイルによる体制維持の試みが、国際社会との不和や孤立をもたらしている。
では、今後どうすればいいのだろうか。
北朝鮮の核実験などに対して国連と米国は、既に定められている制裁条件に抵触するためさらなる制裁を課すしかないのだろうが、あまり効果は期待できそうにない。最も望ましいのは、現在の対立が、南北朝鮮、米国、中国、ロシアと日本など全ての関係各国による問題解決のための協議に結びつくということだ。
威嚇や制裁、ましてや軍事行動などではなく、外交努力だけが現実的な問題解決への道である。
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本記事は、米コロンビア大学の朝鮮研究センター(CKR)でディレクターを務めるチャールズ・アームストロング氏によるものです。記事における意見や見解は全てアームストロング氏個人のものです。