シリア内戦の死者、7万人台へ接近か 国連人権高等弁務官
(CNN) 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のピレイ高等弁務官は14日までに、シリア内戦の死者が計7万人台に迫っている可能性があるとの見方を示した。
同弁務官は今年1月初旬、犠牲者は既に6万人に達したと報告、事態の悪化を防ぐ行動を起こさない国際社会を批判していた。
シリア内戦は、北アフリカや中東諸国で多発した民主化運動「アラブの春」に触発される形で2011年3月から本格化。アサド政権打倒を目指す反体制派と政府軍の衝突が依然続いている。
反体制派「地域調整委員会」によると、戦闘は12日もシリア全土で起き、計136人が死亡した。首都ダマスカス市内や郊外で47人、北部アレッポ市で32人などとなっている。
国連などによる和平への努力も奏功しておらず、シリア問題に関するアラブ連盟と国連の合同特別代表を務めるブラヒミ氏は今年1月下旬、国連安全保障理事会との会合後、「シリアは少しずつ崩壊している。崩壊となれば、地域情勢は世界全体に極めて不都合で、重要な意味を持つ段階に陥る」との危機感を表明していた。