四川省でチベット人が抗議の焼身自殺、中国内で計100人目に
香港(CNN) チベット独立を支援する国際団体「自由チベット」(本部ロンドン)は13日、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州で37歳のチベット人元僧侶が焼身自殺を図り、現場で死亡したとの声明を発表した。
中国内で焼身自殺を試みたチベット人はこれで100人目になったと述べた。このうち少なくとも82人が死亡したとみられる。37歳の元僧侶の遺体は当局が火葬し、遺灰を遺族に引き渡したという。
自由チベットはこれらの情報の出所には触れなかったが、自殺は2月3日に起き、事実確認に10日要したとしている。チベット人は中国当局の報復を非常に恐れチベット人らによる抗議行動に関する情報を口外しないと説明している。
同自治州当局は14日、今回の自殺についてのコメントを拒否した。中国外務省も論評していない。アバ・チベット族自治州では先月、地元の裁判所がチベット族の男性2人に対し、焼身を教唆した罪で重刑の判決を言い渡していた。
一方、ネパールの首都カトマンズの警察当局は13日、市内にある仏教寺院前で同日、チベット人の男性がガソリンを使って焼身自殺を図ったと述べた。男性は病院で手当てを受けたが死亡した。
ネパールには亡命などしたチベット人数千人が居住。中国政府はネパール政府に対しチベット人を規制するよう圧力をかけているとの不満も漏らしている。
中国のチベット支配に反発するチベット人の焼身自殺は2009年2月から始まり、11年3月には若い僧侶が最初に死亡していた。チベット人による焼身自殺はチベット亡命政府が本拠を置くインドなどの外国でも起きている。