米、シリア反体制派を直接支援へ EUも支援拡大
ローマ(CNN) ローマで28日に開催されたシリア反体制派支援のための「シリアの友人会合」に出席したケリー米国務長官は、反政府武装勢力に対する初の直接支援を表明した。だだし支援されるのは食料と医療品で、武器は含まれないという。
ケリー米国務長官は反体制派の代表と会合した後、「装備に優れ、イランや(レバノンのイスラム教シーア派組織)ヒズボラから送り込まれた外国人兵士に支えられた(アサド政権側の)軍隊が残虐行為を続けている結果、米国はさらに踏み込んだ対応を取る決断をした」と述べた。
武装勢力への支援の規模については明らかになっていない。一方でケリー長官は、米国は反体制派の代表組織「シリア国民連合」と協力関係にある組織に対し、反体制派の占領地域における行政サービスなどの資金として6000万ドルを拠出すると述べた。
米国務省高官によれば支援の目的の1つは、アサド政権崩壊後に過激なイスラム主義勢力が影響力を拡大するのを食い止めることにある。「政府軍から解放された地域で反体制派が人々の暮らしに手を差し伸べ、改善することができなければ、過激派が入りこんできて代わりを務めるだろう」と高官は言う。
一方、欧州連合(EU)は武器禁輸措置を一部緩和し、一般市民の保護のために殺傷能力のない装備や技術的援助を提供することを決めた。具体的な装備の内容については明らかになっていないが、仏外務省関係者によれば、フランスは暗視装置や防弾チョッキの供与を検討しているという。