貧者の味方か民主主義の破壊者か チャベス大統領の業績を振り返る
(CNN) 南米ベネズエラのチャベス大統領の死去が公表される数時間前、マドゥロ副大統領は、チャベス大統領がかかった病は外国人によるものだと繰り返し述べた。そして、副大統領は野党を「国の敵」と呼んだ。これを見ると、マドゥロ副大統領はチャベス時代の主要な遺産の一つである分裂と罪の転嫁を口にしたことになる。
チャベス大統領は、しかし、富裕層と貧困層の間の敵意、あるいは、左派と右派の間の敵意以上のものを残した。
中南米の貧困層の窮状が政治上の優先課題となる際に重要な役割を果たしたのはチャベス氏だった。
それはまるで、米大陸の襟首をつかまえて「お前は貧困と戦わなければならない」と叫んだようなものだった。そして、米大陸はその声に耳を傾けた。
チャベス氏の新社会主義に猛烈に反対した人々でさえ、経済的な不平等は喫緊の対応を必要としていると認識した。
チャベス氏が政権の座に就いて数年の後、中南米の幾つもの国で、積極的な反貧困政策が導入され、素晴らしい成果を収めた。
チャベス氏もベネズエラの多くの貧しい人々の生活を改善し、不平等の緩和に大きな役割を果たした。しかし、この過程で、チャベス氏はベネズエラの民主主義を深く傷つけ、権威主義を確立した。このやり方は他の独裁者に模倣され、多くの国々で民主主義に害を与えた。