米、ミサイル防衛を強化へ 北朝鮮の攻撃力向上を警戒
(CNN) ヘーゲル米国防長官は15日、北朝鮮やイランからの攻撃に対する防衛力強化の一環として、地上配備型迎撃ミサイル(GBI)を西海岸に追加配備すると発表した。
ヘーゲル長官は記者会見で、2017年までに迎撃ミサイルを14基追加し、計44基にすると語った。また複数の当局者によると、今回の迎撃ミサイルの追加配備を含む防衛力強化のコストは総額10億ドルに上る見込みだという。
また長官は、日本と連携して、北朝鮮からのミサイル攻撃に対する早期警戒・追跡用レーダーを追加配備するとともに、2011年から稼働を休止しているアラスカ州フォート・グリーリーのミサイル基地も再開すると発表した。
国連安全保障理事会が北朝鮮への制裁強化決議を全会一致で採択したのを受け、北朝鮮は韓国と米国に対し核先制攻撃を行う用意があると警告したり、朝鮮半島非核化共同宣言の破棄を宣言したりするなどの挑発を行っている。
これまで米軍や米政府当局は、今のレベルの脅威であれば、現在の米国のミサイル防衛力でも十分対応可能としてきた。またオバマ大統領も今週、北朝鮮が米国に対しミサイル攻撃を行えるとは思えないと発言した。
しかし、ヘーゲル長官は15日の会見で、現在配備されている米国のミサイル防衛システムではすべての大陸間弾道ミサイル(ICBM)攻撃を防げないと指摘。長官はさらに、最近、北朝鮮のミサイル攻撃力は向上しており、同国は無責任かつ無謀な挑発を繰り返していると述べ、防衛システム強化の必要性を強調した。