中国漁船が比の世界遺産環礁で座礁、密漁や贈賄容疑で乗員逮捕
香港(CNN) フィリピン南西部パラワン島近くの「世界遺産」指定のトゥバタハ環礁の管理当局は14日までに、中国の漁船が同環礁で座礁し、乗組員12人を密漁や贈賄の疑いで逮捕、起訴したと発表した。
トゥバタハ環礁では今年1月17日、米海軍掃海艦「ガーディアン」が座礁事故を起こし、3月下旬に船体の4カ所を切断しての解体、撤去作業が終了していた。比政府は最近、ガーディアンによるサンゴ礁への被害を受け150万ドル(約1億4700万円)の賠償金を請求する方針を明らかにしている。
中国漁船の12人は、座礁を起こした後の4月8日に逮捕された。比国立公園でもある同環礁に不法侵入し、環礁に損傷を与えた行政法違反の罪にも問われている。
12人の贈賄容疑の詳細は不明だが、座礁後に環礁管理当局にわいろを持ち掛けた可能性がある。
環礁管理当局は環礁に要員を派遣、座礁した重さ500トンの漁船から燃料油を抜き出し、船体を海底から浮揚させる作業に取り組む方針。
一方、中国外務省報道官は11日、起訴された12人の安全と合法的な権利の保護を比当局に求めた。同環礁は海洋生物の宝庫とされ、約500種の魚類や350種のサンゴ、クジラ、イルカ、サメ、カメや海鳥が生息している。
中国とフィリピンは南シナ海の一部の島や環礁を巡って領有権を争っている。