ヒズボラ指導者、シリアでの戦闘参加を初公表 政権軍に加勢
(CNN) レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の最高指導者であるハッサン・ナスララ師は25日、ヒズボラの軍事部門が隣国シリアの内戦でアサド政権軍を支援するため参戦していることを初めて公式に認めた。
ヒズボラ系のアルマナルテレビが生中継した演説で明らかにした。シリア西部の要衝であるクサイル町の戦闘で政府軍に加わったとしている。
ナスララ師は今月初旬、米国などがアサド政権転覆を図った場合、これを阻止するため介入すると警告。米国やイスラエル、他の過激派勢力がシリアを牛耳るのを決して容認しないとし、この決意に基づいた行動はいずれ判明すると軍事力行使を示唆していた。
レバノンの有力な政治勢力であるヒズボラはシリアやイランから資金援助や軍事支援を受けているとされ、米国とイスラエルはテロ組織と指定している。ヒズボラは過去にイスラエルとの軍事衝突を数度起こしている。
ナスララ師は演説で、シリアの反体制派は過激な宗教運動に属しているとし、ヒズボラの軍事部門はレバノンを守るために行動していると主張。武装勢力がシリアやレバノンの国境沿いにある一部の県を掌握すれば、レバノンの国家統一やレバノン国民に大きな脅威となると強調した。「我々はシリアで勝利を収める」とも語った。
同師はまた、シリアで戦うヒズボラ戦闘員の数は外国人兵士の中でごく少数に過ぎないとも述べた。
シリアの反体制派勢力によると、クサイル町の戦闘でヒズボラ戦闘員は砲撃を加え住民ら少なくとも30人を殺害。別の反体制派組織「シリア人権監視機構」は死亡した30人のうちの27人は反体制派とした。
一方、シリア軍から離脱した兵士で組織する反政府派武装組織「自由シリア軍」はヒズボラのメンバー45人を殺害したと主張した。