シリア要衝の町で戦闘激化、反体制派48人死亡か レバノンにも砲撃
(CNN) シリアの内戦は19日、レバノンとの国境に近い要衝の町クサイルで政府軍と反体制派の戦闘が激化し、双方が町の一部を制圧したと宣言した。英国を拠点とする「シリア人権監視団」によると、この戦闘で反体制派の戦闘員48人を含む多数が死亡し、数百人が負傷した。
反体制派の活動家は、政府軍が地上や上空から激しい砲撃や空爆を浴びせ、かつてないほどの激戦になったと話している。仮設救護所は負傷者であふれ返っているという。
19日にネットに投稿された動画には、黒や灰色の煙に覆われ、砲撃や爆撃の音が絶え間なく響くクサイルの様子が映っている。
一方、シリア国営テレビは、「軍がテロリストの掃討を続け、クサイル市役所と周辺の建物を制圧して安全を確保した」と伝えている。
これに対して反体制派の「地域調整委員会」は、反体制派は引き続きクサイルを制圧し、反撃を続けていると反論した。
クサイルは、レバノンからシリアへ兵器や物資が流入する輸送路上にある要衝の町で、これまで反体制派が制圧していた。
反体制派は、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラが、シリア政府軍を援護してクサイルを攻撃したと主張。反体制派の「自由シリア軍」が、ヒズボラの拠点があるレバノン北東部に向けて、クサイルからロケット弾を打ち込んだと明らかにした。レバノンの通信社は、国境沿いの町ヘルメルにロケット弾8発が着弾したと伝えている。
反体制派は、今回の戦闘で住宅街も攻撃され、4万人以上の民間人が危険にさらされているとして、アラブ連盟に対し緊急会合を召集するよう訴えている。