EU、シリア反体制派への武器供与を認める
(CNN) 欧州連合(EU)は27日、シリアへの武器禁輸制裁を緩和し、反体制派への武器供与を認めることで合意した。アシュトン外交安全保障上級代表(外相)が発表した。
アシュトン氏が示した指針によれば、加盟国は反体制派の統一組織、シリア国民連合に向け、市民の保護を目的とした軍事装備を供給できることになる。
英国のヘイグ外相は声明で、禁輸緩和は「一部の国にとっては困難な決断だった」としたうえで、「シリア紛争の政治的解決を促すために必要な措置」との見解を示した。
また、米国のケリー国務長官とロシアのラブロフ外相は同日、パリ市内で会談し、対シリア政策について協議した。ケリー氏はシリアでの化学兵器使用に懸念を表明し、現地の状況を把握する必要があると強調。ラブロフ氏もシリアでの流血を止めるために全力を尽くしたいと述べた。
一方、ジュネーブでは同日、国連人権理事会の通常会合開会にあたり、ピレイ国連人権高等弁務官がシリア情勢の悪化に「深い失望」を表明。「これらの戦争犯罪、人道犯罪を放置することはできない」として、国際社会に紛争終結へ向けた行動を呼びかけた。
米国からはこの日、マケイン上院議員がシリアを訪問し、反体制派の代表者らと会談したことが確認された。北部のトルコ国境近くで、反体制派組織、自由シリア軍の司令官らと約1時間にわたって意見を交換したという。反体制派は米国に、武器の供与を強く求めたとみられる。