「質素な発明」で生活改善 インドで花開くフルーガル・イノベーション
デンマークの団体が運営している調査グループ「フルーガル・デジタル」も、こうした発明を探している。そして、インドの発明家と協力して、安価で問題を解決できる機器を生み出すプロジェクトを推進している。
このプロジェクトから生み出され、インド全土で使われている発明品も少なくない。例えば、携帯電話の部品を利用した学校向けのプロジェクターや、古い目覚まし時計から作られた安価な検診用器具などだ。
NESTAのバウンド氏は、フルーガル・イノベーションの考え方やテクノロジーを見直すやり方は世界でも通用すると見ている。
もちろん、フルーガル・イノベーションが全て成功するとは限らない。1975年に発生した洪水の経験から水陸両用のバイクを発明した男性がいた。業績が認められ賞を受けるなどしたが、現在も貧しい暮らしをしているという。
グプタ教授は、創造的な人々と資金調達を結びつける作業が必要であり、全てが公的支援を受けるわけにはいかないと指摘。草の根のテクノロジーと大規模なビジネスを結びつけることが、インドに限らず、全世界の発展の鍵となるだろうと語った。