エジプト暫定内閣発足、衝突で死者も
(CNN) 事実上の軍事クーデターでムルシ政権が崩壊したエジプトで16日、マンスール暫定大統領が新内閣を発足させた。
一方、首都カイロではムルシ前大統領支持派による抗議デモが続き、国営メディアは同日、衝突で少なくとも7人が死亡、261人が負傷したと伝えた。
さらに前日からこの日にかけて、ムルシ氏支持派の401人が逮捕されたという。
ムルシ氏の支持母体「ムスリム同胞団」は、カイロ市内のラムセス広場やモスク(イスラム礼拝所)の付近で衝突が起き、4人が死亡、300人以上が負傷したと伝えた。モスクでラマダンの祈りをささげていたムルシ氏支持者に対し、警察が発砲したとしている。
この日発足した暫定内閣は、軍指導部が閣僚の人選を行った。マンスール最高憲法裁判所長官は7月4日に暫定大統領に就任。暫定首相にはベブラウィ元財務相が、暫定副大統領にはエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が就任した。
外相には駐米エジプト大使を務めたファハミ氏が、財務相にはリベラル派の経済学者ガラル氏が起用された。
大統領報道官によれば、ムスリム同胞団やイスラム系のヌール党にも閣僚ポストを打診したが、ムスリム同胞団は協力を拒んだという。
同胞団の広報は、「メンバー700人以上が逮捕され、放送局が閉鎖させられ、警護隊の本部前で人々が殺された。このような状況の中で声を上げることは不可能だ」と話している。