エジプト暫定大統領、「治安回復の戦い」宣言
カイロ(CNN) エジプト暫定政権のマンスール大統領は18日、ムルシ政権崩壊後初のテレビ演説を行い、国内を混乱に陥れようとする者との戦いを宣言した。一方、ムルシ氏の支持派は19日に抗議デモを呼びかけており、衝突の拡大が懸念されている。
ムルシ氏支持派と反対派の衝突ではこれまでに数十人が死亡、数千人が負傷した。マンスール暫定大統領は演説の中で、同国の治安と安定を取り戻すと強調、「我々は恐れたりひるんだりはしない。罪のない人々を殺す者たちに妥協も容認もしない」「治安回復のため、最後まで戦う」と力説した。
一方、「ムスリム同胞団」を母体とするムルシ氏支持派は、19日に首都カイロで開く「クーデター打倒」と名付けた抗議デモへの参加を呼びかけている。
これに対してムルシ氏反対派は、暫定政権支持を表明して「テロ反対」の抗議行動を行うよう呼びかけた。
国営通信によると、軍はデモ参加者に対し、「平和的な表現手段から逸脱したり、暴力や破壊活動に訴えたりすることがあってはならない」と警告。「従わない者は誰であれ、自身の生命を危険にさらし、法に従って対処されることになる」と強調している。
在エジプト米国大使館は米国人に対し、集会がありそうな場所に近づくことは避け、人が集まっている場所からは直ちに退避するよう勧告を出した。デモや抵抗活動はエジプト各地で展開される可能性があるとしている。