ノルウェー連続テロ受刑者、獄中から「進学」を希望し物議
(CNN) ノルウェーで2011年に起きた連続テロ事件で禁錮21年の有罪判決を受けたアンネシュ・ブレイビク受刑者が進学を希望し、オスロ大学に入学を申し込んだことが1日までに分かった。地元メディアが伝えた。政治学を学びたい意向だという。これに対し、事件の生存者などから反発の声が出ている。
ブレイビク受刑者は11年7月、ノルウェーの首都オスロの政府庁舎で爆弾を爆発させた後、郊外のウトヤ島で銃を乱射し、計77人を殺害。昨年8月に禁錮21年の有罪判決を受けて服役している。
オスロ大学は個別の申し込みに対して否定も肯定もできないとしている。
同受刑者の大学入学の申し込みに対し、事件の生存者らからは反発の声が上がっている。また、ノルウェーのハルボーシェン教育・研究相は31日、受刑者の進学に関する現行規定の見直しを行っていることを明らかにするとともに「教育省の知る限り、ブレイビク受刑者はいかなる進学も認められず、オスロ大学の通常の入学許可手続きでも入学を認められなかった」と語った。
教育相によれば、入学志願者は通常、一定の条件を満たしたうえで他の学生や職員に危害を加える恐れがないと判断されれば入学を認められる。だがブレイビク受刑者の場合は、たとえ条件を満たして入学できたとしても通学は認められず、刑務所内で自習し、刑務所内で試験を受けることになっただろうと教育相は述べた。
公判でブレイビク受刑者の弁護を担当した弁護士はCNNの系列局TV4スウェーデンに出演、同受刑者は今も、自らの人種差別主義や極右思想を広めようとしていると語った。インターネットは使えないため、支援者に手紙を書いて自分の意見をネット上で発表してもらったり、獄中から政党立ち上げを試みたこともあるという。
「彼の政治的計画は終わっていない。同じ(極右の)意見を持つよう人々を説得しようとしている」と弁護士は述べた。