サウジの活動家にむち打ち600回、禁錮7年 イスラム侮辱で
(CNN) 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は31日、サウジアラビアの裁判所で同国の活動家がサイバー犯罪取り締まり法などに違反した罪で禁錮7年とむち打ち600回の有罪判決を受けたと発表した。
ウェブサイトやテレビでイスラム教を侮辱したとして有罪判決を受けたのは、「フリー・サウジ・リベラルズ」というウェブサイトを運営していたライフ・バダウィ被告。2008年にサイトを開設したところ、その直後から司法当局に目を付けられ、一時的に身柄を拘束されて尋問を受けたこともある。聖職者の一部からは、不信心者で背教者だとのレッテルを張られた。
その後、バダウィ被告は2012年6月に身柄を拘束され、現在まで収監は続いている。
HRWのナディム・アウリー中東副局長は「平和的なブロガーに対するこの信じがたいほど厳しい判決を見れば、改革と宗教対話を支持しているとのサウジアラビア(政府)の主張がいかに表面的なものかよく分かる」と指摘した。
バダウィ被告の妻エンサフ・ハイダルさんは判決に大きなショックを受け、「どうしたらいいのか。夫は悪いことなど何もしていないのに」と述べた。ハイダルさんと3人の子どもは現在、レバノンに住んでいる。親族とも疎遠となり、サウジに子どもを連れて帰国するのは無理だろうと語る。
CNNはサウジ政府にコメントを数回にわたって求めたが、回答は得られなかった。
人権団体からは、サウジ当局が司法と渡航禁止措置を武器に活動家を狙い撃ちしているとの非難の声が上がっている。3月には改革を求める著名な活動家2人が禁錮10年の有罪判決を受け、多くの国民の怒りを買った。