全刑務所で囚人が「実権掌握」、是正に軍出動 ホンジュラス
(CNN) 中米ホンジュラスのポルフィリオ・ロボ大統領は3日、衝突事件や死者の発生が伝えられた国運営の刑務所の混乱を収束させるため軍部隊に出動を命じた。同国のセール・ホンジュラス通信によると、同日未明に起きた衝突では3人が死亡、15人が負傷した。
ホンジュラスの刑務所の現状については、米州人権委員会が2日、同国内の24カ所にある刑務所全てで囚人側が管理の権限を握っているとの報告書を公表していた。
報告書によると、ホンジュラスの刑務所では配置される刑務官の不足などが原因で、囚人側が自己管理を進めたり、政府と管理業務を分担したりするような状態にある。受刑者は、処罰の実施やもめ事の仲裁、食料の分配や食料価格の設定などにも当たっているという。
刑務所の管理当局に物事を変更させる力は一切ない、とのある刑務所幹部の発言も紹介した。
ホンジュラスの刑務所の過剰収監や貧弱な施設などはこれまで批判の対象になってきた。受刑者の待遇などに焦点を当てた国際調査報告書によると、同国の刑務所の2010年2月時点での過剰収容の割合は137.9%だった。
米州人権委の報告書は、ホンジュラスの少なくとも2カ所の刑務所は収容能力の2倍以上の囚人を抱えているとも指摘していた。