ジンバブエ選挙、ムガベ氏が大統領に当選 不正疑惑も
ハラレ(CNN) アフリカ南部ジンバブエの選挙管理委員会は3日、7月31日の大統領選で現職のムガベ大統領(89)が当選したと発表した。ムガベ氏は1980年の同国独立からさらに次期5年を加え、38年にわたって権力を握り続けることになる。
選管発表によると、ムガベ氏の得票率は61%。事実上の一騎打ちとなった政敵のツァンギライ首相は34%にとどまった。ツァンギライ氏は選挙に不正があったと主張し、法廷で争う構えを示している。
選管はさらに、ムガベ氏の率いる与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)が国会の3分の2の議席を獲得したと発表した。
国際監視団体や外国当局者からは、これらの結果に疑念を示す声の一方で、200人以上の死者が出た5年前の前回大統領選と比べ、平和的な選挙だったと評価する意見も出ている。
米国のケリー国務長官は国内外の監視団体から不正の報告が相次いだことを指摘し、「選挙結果がジンバブエ国民の意思を反映しているとは思えない」と批判。英国のヘイグ外相は投票が平和的に実施されたことを認めたうえで、不正疑惑により「選挙の信頼性には大きな疑問が投げ掛けられている」と述べた。
ムガベ大統領は白人農場の強制収用や食糧危機対策をめぐり、「人権侵害」を非難する欧米諸国との対立を深めてきた。
前回大統領選ではツァンギライ氏が第1回投票でムガベ氏を上回る票を獲得したものの、大統領側の弾圧を受けて決選投票から撤退。不正選挙との批判が集中するなか、ツァンギライ氏を首相とする連立政権が樹立された。