福島第一原発、汚染水の流出で危機的状況続く
米海洋化学者のケン・ビュセラー氏は、早くから汚染水の問題に懸念を示してきた。流出を防ごうと壁を設けても、「水が高い所から低い所へ、つまり海へ向かう流れは止められない」と話す。
米国で原発の操業に関わった経験を持つ専門家、マイケル・フリードランダー氏は「問題は山側からの地下水が原発の建屋に入り込み、汚染水と混ざって流れ出していることだ。汚染水を敷地内のタンクに貯蔵する対策は一時しのぎにすぎない」と指摘する。
「最終的には汚染水を海に捨てるか、蒸発させるかの選択になるのではないか。どちらも世論の猛反対を受けるだろう」と、フリードランダー氏は語る。同氏によれば、米スリーマイル島の原発事故では、連邦当局が汚染水の蒸発処理を許可した。ただし福島第一原発は事故の規模がまったく異なり、「未知の領域だ」としている。