福島近海からのマグロ、放射性物質のリスクは低水準 米調査
(CNN) 東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きた時期に日本近海で孵化(ふか)したクロマグロに含まれる放射性物質の濃度は極めて低く、健康上のリスクが懸念される濃度をはるかに下回るという調査結果を、米ニューヨーク州ストーニーブルック大学の研究チームが発表した。
この調査結果は、2012年に発表された論文の追跡調査として、同大のニコラス・フィッシャー教授(海洋科学)のチームが3日の米科学アカデミー紀要に発表した。
2012年の調査では、福島第一原発事故から数カ月後の2011年8月に米カリフォルニア州サンディエゴ沖で水揚げされたマグロから、放射性セシウムが検出されていたことが判明した。
フィッシャー氏によれば、この結果が注目される一方で、「そのマグロを食べた場合にどのようなリスクがあるのかが理解されていなかった」ことから、データを改めて検証し、論文を発表することにしたという。
今回の調査の結果、問題のクロマグロを食べた場合に摂取される放射性物質の量は、放射性カリウムの濃度が高いことで知られるバナナ1本を食べた場合に比べて5%程度にとどまることが分かった。