福島近海からのマグロ、放射性物質のリスクは低水準 米調査
一般的な米国人より魚類の摂取量が多い漁業専従者でさえも、原発事故の影響による放射性セシウムの被曝(ひばく)量は、歯科医でレントゲン検査を1回受けた程度にとどまるという。その影響は「最悪の場合を想定したとしても」、がんで死亡する人が1000万人ごとに2人増える程度だとしている。
比較のために2012年に水揚げされたクロマグロを調べた結果、セシウム134および137の濃度は、2011年に水揚げされたマグロに比べて約半分に低下していたという。
この結果を受けてフィッシャー氏は、「たとえ2011年の濃度であっても、(マグロを)消費した場合の被曝量は極めて低く、自然放射線の値を下回る」と解説している。
クロマグロについては、乱獲や水銀汚染の方が懸念すべき問題だとフィッシャー氏は指摘。長期間にわたって大量のクロマグロを食べ続けた場合、水銀による健康被害が出る確率は、放射性セシウムによってがんにかかる確率よりも高いと話している。