米英仏がシリア軍事介入の準備、露は反発
これに対してシリア政権側は一貫して化学兵器の使用を否定。ムアレム外相は27日、政府が国民に対してそのような武器を使うことは決してないと語り、異論があるなら証拠を公開すべきだと訴えた。
同外相はさらに、西側諸国はこの主張を口実にしてアサド政権打倒を狙っていると述べ、「戦争の鼓笛が聞こえる」「彼らはシリアを攻撃したがっている。化学兵器を口実として使うことが正しいとは思わない」と強調。もし攻撃を受けたとしても、「シリアは簡単にはのみこまれない」「我々には自衛のための手段がある」と警告した。
一方、対シリア軍事作戦に反対しているロシアのラブロフ外相は27日、シリア政権が化学兵器を使用した証拠はないと発言。ロシア外務省は米政府が「軍事介入のために根拠のない口実をでっち上げようとしている」と非難した。
かつて英国の外相を務めたデービッド・オーウェン氏も同日、シリアに対する軍事作戦に踏み切る前に、国連安全保障理事会に諮るべきだと訴えた。また、シリアへの軍事介入に踏み切れば、中東地域の衝突拡大を招き、欧米諸国はイラクとアフガニスタンに続く泥沼の紛争に足を踏み込むことになると懸念する声も出ている。