米海軍、シリア沖にミサイル駆逐艦増強 化学兵器対策か
(CNN) アサド政権による新たな化学兵器使用疑惑が浮上したシリア内戦に関連し、米国防総省高官は25日までに巡航ミサイル搭載の4隻目の米海軍駆逐艦を地中海東部に配備したことを明らかにした。
同省は先に、オバマ米政権が軍事手段を含めたシリアへの介入拡大に踏み切った場合に備え、シリア空爆の標的などを新たに見直したことを明らかにしていた。この措置は新たな化学兵器使用疑惑の発覚を受けたものとなっている。
空爆ではシリア領空への侵入が必要な戦闘機には頼らず、巡航ミサイルの発射を想定。標的はアサド政権の省庁や軍事施設が中心だが、シリア政府による化学兵器使用が証明された場合、この攻撃能力を削ぐことも選択肢になるとしていた。
米国防総省当局者によると、地中海に新たに出動したのは巡航ミサイル搭載駆逐艦「ラメージ」。既に展開中の同型駆逐艦「マハン」と交替予定だったが、マハンの一時的な任務継続も決まった。米海軍は地中海に常時、巡航ミサイル搭載の駆逐艦3隻を配備する。
4隻態勢についてはアサド政権への圧力をにらんでいるとの見方もある。
ヘーゲル米国防長官は23日、新たな化学兵器使用が事実なら、同兵器攻撃の再発を阻止するための迅速な対応が必要と強調。同省の公式サイトによると、長官はマレーシアへ向かう軍用機の機上で、実際に起きたことを極めて早急に把握し、適切な対応策を講じるべきだとの考えを示した。
長官はまた、オバマ大統領に対しシリア情勢での緊急事態を受けた選択肢を提示したと指摘。大統領が命じたいかなる選択肢にも対応出来るよう部隊の配置などが必要と述べた。オバマ氏に示した選択肢の具体的内容には触れなかった。