前ローマ法王が沈黙破る、未成年虐待巡り弁明
(CNN) 前ローマ法王のベネディクト16世が引退後初めて沈黙を破り、カトリック神父による未成年の性的虐待の事実隠蔽(いんぺい)を試みたことはなかったと弁明する内容の手紙が24日、イタリアの新聞レプブリカに掲載された。
ベネディクト16世は手紙の中で、無神論者の数学者ピエルジョルジオ・オディフレッディ氏の2011年の著書に応える形で、「神父による未成年の虐待については、深い驚愕の念を抱きながらも認めるほかない。だが私がそれを隠蔽しようとしたことはなかった」と振り返った。
また、未成年を虐待する神父の割合は、ほかの職業に比べて際立って高いわけではないとする社会学者の見解も紹介。教会での性的虐待は「汚らわしい」としながらも、そうした問題が起きるのはカトリック教会に限ったことではないと述べ、オディフレッディ氏は教会が行ってきた善行のことは無視したと批判している。
ベネディクト16世は今年2月28日に引退して名誉法王となった後は、公の場にほとんど姿を見せず、サンピエトロ大聖堂の裏にある修道院で暮らしている。