児童労働の実態ランキング、中国が大幅悪化
(CNN) 世界各国で児童労働の実態を調査し、深刻な国から順に並べたランキングがこのほど発表された。ワースト10にはアフリカやアジアの貧困国が入っている。中国が20位と、昨年の53位から大幅に悪化した。
ランキングは企業向けのリスク分析を専門とする英調査会社、メープルクロフトが197カ国を対象とした調査に基づいてまとめ、報告書を出した。ワースト1はエリトリアで、ソマリア、コンゴ(旧ザイール)、ミャンマー、スーダンが続く。6位以下はミャンマー、アフガニスタン、パキスタン、ジンバブエ、イエメン。貧困国が目立つのは、子どもが家計を助けるために働かされるケースが多いためとみられる。
一方、世界経済の中で重要な役割を果たす中国、インド、ロシア、ブラジルも、児童労働規制法が守られていない危険性が非常に高いとされた。報告書によれば、中国の製造業界では約10万人の子どもが働いていると推定され、経済が発展した省でも注意が必要だという。昨年は電子部品メーカー大手の富士康が研修生と称し、最年少で14歳の子どもを雇っていたことを認めた。
ランキングは児童労働の件数や条件の厳しさ、政府の防止策、違反者への罰則などから算出した。国際労働機関(ILO)が先月発表した報告書によると、世界では5~17歳で労働を強いられている子どもの割合が、2012年の時点で10.6%に上った。08年の13.6%に比べれば改善している。