オーストラリア山火事で非常事態宣言、300棟以上に被害
(CNN) オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州で多発している山火事は21日も各地で延焼を続け、住宅などの被害が広がっている。同州のオファレル首相は20日、シドニーを含む州全域に非常事態を宣言した。
州消防当局によると、火災は少なくとも56カ所で発生し、10万9000ヘクタール以上に燃え広がっている。オーストラリアは春を迎えたばかりだが、今年の冬は雨が少なく乾燥していたため、これから夏にかけて山火事はさらに増える恐れがあるという。
シドニー郊外の観光名所ブルーマウンテンでは2カ所で発生した山火事で、これまでに住宅193棟が焼失、109棟に一部損壊の被害が出ている。いずれも強風にあおられた送電線から出火した。
別の場所では軍の演習が出火元になった疑いもあり、当局が各地の出火原因を調べている。
天気予報によると、高温や乾燥、強風は今後数日にわたって続く見通し。事態がさらに悪化し、道路が通行できなくなって消火作業に支障が出る可能性もある。
シドニーの市街も厚い煙に覆われ、周辺の全域で屋外での火の使用が全面的に禁止された。
20日夜現在、隣接するビクトリア州などからの応援も含めて消防士約1300人が消火活動に当たっている。