ソマリア海賊らの稼ぎ約4百億円 使途は麻薬、買春や不動産
(CNN) アフリカ東部ソマリアの沿岸海域などで多発する海賊が過去8年に人質の身代金で得た金額は約4億米ドル(約396億円)で、その多くを麻薬、買春、アルコール類や不動産に費やしているとの報告書を国連の捜査部門が3日までにまとめた。
報告書作成には、国際刑事警察機構(ICPO)や世界銀行も協力。ソマリア、ジブチ、エチオピア、ケニアやセーシェルにある海賊に関係する拠点の実態などを調べた。
2005年4月から昨年末までソマリアや「アフリカの角」地域の沖合では計179隻が乗っ取られ、このうちの約85%が身代金を払った後、解放された。アフリカの角は、エチオピア、エリトリア、ジブチにソマリアが隣接する地域を指す。
報告書によると、身代金の約30%から半分は海賊に活動資金を渡す人物が手にする。公海に出て船舶乗っ取りなどの犯行に加わる末端の海賊の報酬は1隻当たり3万ドルから7万5000ドルまで。標的の船舶に乗り込み、武器を使用する役目の海賊には1万ドルのボーナス金が出されるという。
命令に背いたり、乗っ取った船舶乗員を虐待し、犯行の途中で居眠りするようなミスを犯した海賊には罰金が科せられる。