配給に長い列、被災地の窮状続く フィリピン
フィリピン中部タクロバン(CNN) 台風30号(ハイエン)の直撃を受けたフィリピン中部では、被災から1週間以上たった16日も食料不足や停電が続き、政府による対応の遅さや不手際に批判の声が上がっている。
台風30号で家を失った人は約300万人。死者は3637人に上り、さらに増える恐れがある。甚大な被害を受けたレイテ島タクロバンでは略奪や暴力が発生している。
フィリピン空軍の将官によれば、食料配給のヘリコプターは群がる住民らによる混乱を避けるため、集落から少し離れた場所に着陸し、荷を降ろすとすぐに次の場所へ向かっているという。
物資の配給を受けようとする住民らは炎天下、傘で日差しをよけながら長い列を作っている。
米軍は被災地へ急派した原子力空母ジョージ・ワシントンに代わって、水陸両用車両を投入する方針。フィリピンには現在約9000人が出動している。
英国のヘイグ外相によると、17日には英海軍のデアリング級駆逐艦が現地に到着して救援活動に加わる。被災地では多数の英国人が行方不明になっているという。