フィリピン台風から1週間、被災者が直面する現実
フィリピン・タクロバン(CNN) 台風30号(ハイエン)がフィリピンを直撃してから15日で1週間がたった。自分の腕から波にさらわれた子どもの死を嘆く母親、自殺も考えたという父親、被災地にとどまって生活を立て直そうとする親子――。200万人を超す被災者は、悲惨な現実と向き合うことを迫られている。
1週間前まで自宅があった場所で、食器を拾って洗い続ける女性がいた。夫と6人の子どもをなくし、子どものうち3人は遺体が見つかった。誰も助けに来てくれないと女性は言い、「私の子どもたちが腐っていく」とつぶやいた。
別の場所では救援トラックが食料を配ったり、がれきを片付けたりする作業が進む。遺体は探しに来た家族が見つけられるよう、並べて安置されていた。
フィリピン政府は15日朝までに確認された死者は全土で2360人に増え、負傷者は3850人以上、行方不明者は少なくとも77人だったと発表していたが、同日中に死者数が3621人に達したとした。しかし最も大きな被害が出ているレイテ島のタクロバンだけでも、死者は数千人に達する可能性が指摘されている。