11月19日は「トイレの日」、25億人の衛生状態改善を
(CNN) 11月19日は国連が今年から制定した「世界トイレの日」。台風で壊滅的な被害が出たフィリピンでは、トイレと水の確保が特に差し迫った課題の1つとなっている。
大きな被害が出たレイテ島のタクロバンでは衛生状態が急激に悪化。ユニセフなどの団体が簡易トイレや衛生用品などを届け、被災者支援のための募金を募っている。
しかし世界には、こうした状況が日常になっている国がまだ高い比率で存在する。
その問題にスポットを当てるため、トイレの日制定の決議は7月の国連総会で採択された。潘基文(パンギムン)国連事務総長は「タブーを破り、世界中の開発において公衆衛生を優先しなければならない」と訴えている。
国連の統計によると、世界の人口の3分の1に当たる25億人が衛生的なトイレを利用できず、途上国では下痢性疾患が乳幼児の死因の第2位となっている。安全が確保できないために生理中の女性が外出できない国も多い。
しかしトイレにまつわる問題は公に口にしにくいことから、啓発活動や募金集めキャンペーンでは置き去りにされることが多かった。トイレの普及活動を展開している非営利組織「トイレット・ハッカー」は、「安全で清潔でプライバシーの保てるトイレがなければ、不便である以上に生死にもかかわる」と指摘する。
途上国では安全なトイレがないために深夜に屋外の人気のないところに行くなどして、女性が性的暴行の被害に遭うケースも多発しているという。