アフガン大統領、安保協定への署名を先送り
(CNN) 米ホワイトハウスによると、アフガニスタンのカルザイ大統領は25日、米軍の駐留継続について定めた安全保障協定への署名を来年の大統領選後まで先送りする方針を示した。
カルザイ大統領はライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)との会談で、協定にすぐには署名できないと伝え、署名に向けた新たな条件を提示したという。
安保協定は米軍が来年末の戦闘任務終了後もアフガンに一部要員を残すことを認め、その条件を定めた内容。アフガンのロヤ・ジルガ(国民大会議)が24日に承認し、カルザイ大統領に年内の署名を勧告した。大統領は、米軍による家宅捜索の全面禁止を条件に署名する意向を示していた。
ホワイトハウスは、大統領の署名が遅れると、米国をはじめとする北大西洋条約機構(NATO)諸国は2014年以降の駐留計画が立てられず、アフガン国民にも大統領選前の重要な時期に確実な見通しを示すことができなくなると指摘した。
カルザイ大統領自身は憲法の規定により大統領選に出馬できないが、政界への影響力は強い。署名先送りの背景には、アフガン国民の反米感情に配慮する政治的意図があるとみられる。