防空識別圏の米軍機飛行を監視 中国国防省
香港(CNN) 中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏を米空軍のB52戦略爆撃機が飛行したことについて、中国国防省は27日、防空識別圏内での同機の行動は監視していたと発表した。ただ、声明には米国を非難する文言は盛り込まなかった。
B52戦略爆撃機2機は中国が設定した防空識別圏を25日夜(日本時間26日朝)に飛行した。中国側が求める事前通告は行わなかった。
これに対して中国国防省の27日の声明では、「中国には(同空域に対して)有効なコントロールする能力がある」と強調。外務省の秦剛報道官も同日の定例会見で、「中国政府には自国の主権と安全を守る決意と能力がある」と力説した。
中国側のこうした出方について、航空情報専門サイト「フライトグローバル」のアジア担当編集長、グレッグ・ウォルドロン氏は、「中国は能力以上のことをしようとしているのではないか。こうした行動を継続的に監視することは、恐らく現時点での中国空軍の能力をやや超えている」とみる。
ただ、日本航空と全日空が飛行計画書を中国に提出しないと表明したことについては、法的には航空会社が中国側のルールに従う必要はないかもしれないが、「安全上の観点からは、万が一のために(計画書の提出は)行った方がいい」とウォルドロン氏は話している。