汚職撲滅掲げる新党が大躍進、首都圏で第2党に インド地方選
インド・ニューデリー(CNN) インドで4日に投票が行われたデリー首都圏議会選挙(定数70)で、初の選挙に臨んだ新党「庶民党」が躍進し、一躍第2党に浮上した。
8日に発表された開票結果によると、庶民党は70議席のうち28議席を獲得し、既成政党のインド人民党(BJP)が獲得した31議席に迫った。一方、国政の与党で中道左派の国民会議派は35議席を失い、わずか8議席に後退した。
庶民党は元税務職員のアルビンド・ケジリワル氏(45)を党首として2012年11月に結成され、数カ月前に選挙に参戦。インフレ対策や汚職撲滅を公約していた。
選挙運動では庶民党の運動員が党のシンボルのほうきを掲げて草の根運動を展開し、インフレによる食料や生活必需品価格高騰の問題などを有権者に説いて回った。
ケジリワル氏は2006年にアジアのノーベル賞と呼ばれるマグサイサイ賞を受賞した人物。ニューデリーの州首相選でも、3期を務めた現職のディクシット氏を相手に2万2000票以上の差を付けて勝利した。ディクシット氏はこれまで、国民会議派の有力政治家と目されてきた。
今回の選挙は2014年に実施される国政選挙の前哨戦として注目された。国民会議派はマディヤプラデシュ州とチャッティスガル州の議会選でも議席を伸ばすことができず、ラジャスタン州ではBJPが国民会議派から政権を奪取した。
国民会議派の元幹部は庶民党に大敗した理由について、「残念ながら我が党は若者との接点を失った。インターネットとフェイスブック時代の若者は、数年前に比べてずっと認識が高まっている。彼らは変化を望んだ。デリーの結果は変化の兆しだ」と分析している。