プーチン大統領、「政敵」の元石油王に恩赦の意向
モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は19日、反プーチン派の元石油王で現在は脱税などの罪で服役中のホドルコフスキー受刑者に恩赦を与える意向を明らかにした。
プーチン大統領はホドルコフスキー受刑者が人道上の理由から恩赦を求める書簡を書いたことを明らかにした。
ロシアの人権問題が国際社会の注目を集めるなか、2月にはソチ冬季五輪の開幕を控え、ロシアでは下院が18日に憲法20周年を記念する恩赦法案を可決したばかりだ。
「ここのところ、数十件の恩赦を行ってきた」とプーチン大統領は記者団に語った。ホドルコフスキー受刑者について大統領は、「重い罰」を受けて10年以上に渡って収監されてきたと述べた。
プーチン大統領は「彼の母親は病気で、こうしたあらゆる状況を鑑みれば適切な(恩赦の)決定を受けることは可能だと思う」と述べ、恩赦を認める大統領令に近く署名すると語った。
ホドルコフスキー受刑者の息子パベル氏は19日、CNNの電話インタビューに対し、政府が本当に恩赦を計画しているかどうか確認できていないと語った。
「事態は常にプーチン個人にかかっている」とパベル氏は述べた。
ホドルコフスキー受刑者はロシアのいわゆる「新興財閥」の1人。1990年代に行われた国営企業の民営化に乗じて一大財閥を作り上げ、石油大手ユコスの社長に就任した。反プーチン政党の支援者としても知られたが、2003年に身柄を拘束され、05年には脱税と詐欺の罪で有罪判決を受けていた。
米国をはじめとする国際社会からは、ホドルコフスキー受刑者はプーチン大統領の政敵だったがゆえに訴追されたとしてロシア政府を批判する声が上がっていた。