山奥の教室から見えた中国教育の伝統と未来
中国の学生は基礎教育や受験技術において秀でている一方で、創造性やイノベーション(技術革新)といった分野には不得手ということになるだろうか。
ただ、経済成長が成熟局面に入ったのを受けて、多くの教育関係者も、伝統的な教育システムの刷新を視野に入れ始めている。
実際に中国教育部は昨年、学生の負担を減らすため10項目に及ぶ通達を発表し、試験の削減をはじめ、宿題の軽減、休日や休み時間における授業の禁止などを定めた。
政府が最終的に目指すのは教育に対する考え方の変革だ。「考えながら学ぶ」「実践しつつ学ぶ」「子どもたちの適正にあった教育を施す」といった点を重視する方向で、長期的な教育改革の青写真を描いている。
教育投資の拡大も必要になる。中国の国内総生産(GDP)に占める教育関連費は長い間わずか2%にとどまっていた。国連が最低基準として求める6%を大きく下回る。指導層がGDP比4%を誓約するのを幾度となく聞いたが、その約束が実現したのは最近になってのことだった。