南スーダンの和平交渉始まる 米大使館員ら退避
ジュバ(CNN) 内戦の危機が高まる南スーダン情勢で、対立する政府軍と前副大統領を支持する反乱軍の代表団が3日、隣国エチオピアの首都アディスアベバで和平交渉を開始した。一方、南スーダンの首都ジュバの米大使館からは同日、職員約20人が新たに退避した。
和平交渉は、東アフリカ諸国の地域機構「政府間開発機構」(IGAD)の仲介で実現した。IGADは声明で双方の「積極的な取り組み」を評価したが、初日の間接的な交渉では進展がみられなかった模様。直接交渉の具体的な日程は公表されていない。
政府軍と反乱軍はこの日も、東部の要衝ボルをめぐって戦闘を続けた。ボルの市長は「反乱軍は交渉で時間稼ぎをしながら軍を南下させようとしている」と非難した。
米大使館職員らは同日、米海兵隊の輸送機で退避した。米当局によると、ジュバには大使ら数人がとどまる。国務省報道官は、南スーダンに滞在する米国民に改めて即刻退避を呼び掛ける一方、米国は今後も暴力停止へ向けた地域、国際組織の努力に積極的に協力すると強調した。
先月から始まった戦闘ではすでに1000人以上の死者が出たとされる。国連は3日、同国で約20万人の避難民が発生しているとして、国際社会に1億6600万ドル(約173億円)の支援を要請した。米国は同日、新たに4980万ドルの人道支援を発表した。