インドのシン首相、総選挙後に退任へ
ニューデリー(CNN) インドのシン首相(81)は3日、5月までに予定される総選挙後に首相を退任する意向を明らかにした。
シン氏は2004年5月の首相就任以来、自ら所属する最大与党、国民会議派を中心とする連立政権を率いてきた。しかし国民会議派は、総選挙の前哨戦となった昨年12月の地方選で惨敗。同国のメディアは総選挙における国民会議派の苦戦を予想していた。
またインドではここ数年、閣僚や政府高官の汚職スキャンダルが相次ぎ、シン連立政権に対する評価が低下していた。
インド会計監査局(CAG)は、政府が2008年に一部事業者に携帯電話向け周波数帯を不正に割り当て、国庫に310億ドルもの損失が出たと発表。さらにシン政権の2期目にはスポーツ、不動産、石炭にからむ大規模な詐欺疑惑が浮上し、政府は対応に苦慮した。
シン首相は、「不正があったのは事実だが、メディアや会計監査局などによって問題が誇張されてきた」と主張。さらに「政府の職務を透明化し、政府が説明責任を果たすよう、これまで数々の歴史的な法律を制定してきた」と述べ、政府の汚職撲滅に向けた取り組みへの理解を求めた。