ロシア政権批判の米ジャーナリスト、ビザ更新を拒否され「追放」
(CNN) ロシア政権への批判的な論調で知られる米国人ジャーナリスト、デービッド・サター氏は13日、ロシア当局にビザの更新を拒否されたことを明らかにし、同国から「追放された」と訴えた。
サター氏は英紙フィナンシャル・タイムズの元モスクワ特派員で、ロシアや旧ソ連についての著書が3冊ある。昨年9月からは米ラジオ局ラジオ・フリー・ヨーロッパ、ラジオ・リバティの顧問を務めていた。
サター氏がCNNに語ったところによると、これまで持っていたロシアのビザを記者用のビザに切り替える手続きを取ったところ、同氏がロシア国内に滞在することは「好ましくない」との理由で拒否された。現在はロンドンに滞在して対応を検討しているという。
同氏は先月、ロシア南部で起きた自爆テロに関するCNNの論説で、南部ソチの冬季五輪に行くのは「戦場へ足を踏み入れるようなものだ」と書いていた。この件に限らず「プーチン政権には常に批判的な立場を取ってきた」と語り、「なぜ今追い出されるのか分からない」と首をかしげる。
同氏はまた、「ロシアについて率直に報道しようとすれば、批判的にならざるを得ない」と主張。ロシア当局が外国報道機関に対する方針自体を変更したのかどうかは不明だが、「記者が1人でも追放されたことで、批判的な報道が深刻な結果を招きかねないことが明らかになった」と話している。