アルゼンチン大統領、1カ月姿見せず 健康不安説も
(CNN) アルゼンチンのフェルナンデス大統領がほぼ1カ月、公の場に姿を現さず、健康問題や所在について憶測が飛び交っている。
フェルナンデス大統領は昨年10月、脳の表面にできた血腫を除去する手術を受けた。11月に公務に復帰し、12月には複数の行事に出席したが、その後は公の場に姿を見せていない。
手術前、フェルナンデス大統領は国営テレビを通して情熱的に政策を語ったり、インターネットで自らの仕事について矢継ぎ早に投稿したりしていた。だがツイッターへの最後の投稿からすでに33日が経過している。
国営テラム通信によれば、カピタニチ官房長官は今月初め、「大統領は毎日出勤して、われわれとともに働いている」と記者団に述べた。だが一部からは「政府は誰の下で運営されているのか」と批判の声も上がっている。
首都ブエノスアイレスにあるベルグラノ大学世論センターのオルランド・ダダモ所長は、「数カ月前の病気の件がなければ問題にもならなかっただろう。だが噂は広まり、理由が分からないことによる不安感が生じている。政治的戦術なのか、来年の大統領選の候補者のために活動の場を作っているのか、政府がかかえる難局に向き合いたくないのか。国民には分からない」と語った。
一方で、健康に配慮して十分な休養を取っているとの見方もある。前大統領で夫のネストル・キチルネル氏は10年に心臓発作で死亡した。政治評論家のエンリケ・スレタ氏は「大統領は(夫と)同じような状況になりたくないのだろう」と述べた。