消防車にひかれた少女、消防士が事前に認識か アシアナ機事故
(CNN) 米サンフランシスコ国際空港で昨年7月、着陸に失敗した韓国アシアナ航空機から滑走路上に投げ出された16歳の少女が消防車両にひかれて死亡した事故を巡り、消防士が事前に少女の存在に気づいていたことをうかがわせる映像が見つかった。
この事故では中国人乗客の葉夢円さん(当時16)が機外に投げ出され、消防車両にひかれて死亡した。これまでの説明では、葉さんの体は消火剤に覆われていた可能性があり、消防車が誤ってひいてしまったと説明されていた。
しかし新たに発覚した映像には、現場に急行していた緊急車両の運転士に向かって、消防士が「おい、おい、おい、止まれ、止まれ、止まれ! あそこに体が。目の前だ」と叫ぶ様子が映っていた。
この映像は消防士のヘルメットに取り付けたカメラがとらえたもので、米CBSテレビの報道で明るみに出た。消防車がとらえた別の映像には、消防士が地面に立って被害者をう回するよう車両を誘導する様子も映っていた。被害者の体は消火剤に覆われてはいなかった。
この事故を巡り、葉さんの両親は消防士らの対応に過失があったなどとして、サンフランシスコ市などを相手取って訴訟を起こしている。弁護士は、何人もの消防士が滑走路に倒れた少女を目にしながら、誰もが「生存を確認するという基本的な手順を怠った」と批判している。
市消防局は裁判が係争中であることを理由に、問題の映像についてのコメントを避けた。