ウクライナの抗議デモ激化、衝突で死傷者
大統領府は同日、事態打開に向けて野党指導者3人がヤヌコビッチ大統領や政府の作業部会と会談したことを明らかにした。この会談に出席した野党UDAR党の党首は、ヤヌコビッチ政権がその手でデモ参加者の血を流したと批判。政府に対して即時選挙の実施や新法の撤回を求めたが、「返答は何もなかった」と語気を強めた。
米国務省のハーフ報道官は22日、ジャーナリストや平和的なデモ参加者を巻き込んだ暴力が激化しているとして、ウクライナ政府を批判する声明を発表した。
ウクライナでは昨年11月、ヤヌコビッチ大統領が欧州連合(EU)の協定調印を見送り、ロシアとの関係強化に動いたことから抗議デモが続いている。しかしこれまでのデモはほぼ平穏に推移してきた。
EUや米国は全関係者に自制を促し、平和的な解決策で政治危機を乗り切るよう求めている。21日にはロシアのラブロフ外相も、ウクライナの状況は「制御不能に陥りつつある」として、全関係者に対話を呼びかけた。