「過保護な乳母」でなく 禁煙の次は肥満対策を
そもそも、1965年には42%だった米国の成人喫煙率も、今日ではわずか18%に過ぎない。
単純に多くの選択肢を確保すれば良いというものではない。教訓として重要なのは、正しい情報を提示したうえで、情報を踏まえた選択を可能にすることだ。
喫煙の次に対処すべきなのは、米国民の3分の1以上を悩ます肥満問題だ。米疾病対策センター(CDC)の調べによると、肥満にまつわるコストは年間1470億ドル(約14兆円)に上る。正しい情報を踏まえたうえで、栄養価の低い高カロリー食品を避けることなどができるよう、最善の仕組みが必要だ。
肥満防止対策に乗り出すことは「過保護な乳母」ではなく、健康で元気な生活を送るための手助けだ。
喫煙禁止の場合と同じく、大胆な施策には最初は懐疑の声がついてまわるだろう。しかし、数年後になってみれば、パリや北京でも同様の対策が取られているかもしれない。