ベネズエラで反政府デモ、野党指導者に逮捕状
カラカス(CNN) ベネズエラの首都カラカスで12日、反政府デモ隊と大統領支持派の衝突が起き、3人が死亡した。同国の司法省は13日、この衝突に関連して共謀と殺人などの容疑で野党指導者に逮捕状を出した。
逮捕状が出されたのは、「民衆の意志」のレオポルド・ロペス党首。マドゥロ大統領はロペス氏に対し、公職からの永久追放も辞さないと述べていた。
マドゥロ大統領はチャベス前大統領の死を受け、昨年4月に就任した。だがインフレや暴力犯罪の増加に歯止めがかけられず、野党からは政権交代を求める声が上がっている。
インフレ率は56.2%と世界で最も高く、生活必需品の品薄も続いている。物価統制と為替管理のなか、国際通貨が不足、物資の輸入も困難な事態が起きている。
マドゥロ大統領は反政府デモを自らに対する「クーデター」と位置づけている。「世界に警告したい。民主主義と私の率いる政府に対するクーデター計画が進行中だ。糸を引いているのは少数の無責任な指導者たち。暴力的で憎悪と個人的な野望に満ちた人々だ」と大統領は12日、述べた。
メディアに対する締め付けも厳しくなっている。政府は民間テレビ局に対し、デモを生中継した場合は制裁を加えると警告。これに従わなかった国際ニュースチャンネル「NTN24」はケーブル放送および衛星放送を禁じられた。また、デモの様子を撮影していた報道カメラマンからは、治安部隊や政府支持者からデータを奪われたとの報告も相次いでいる。