アフガン、受刑者65人を釈放 米軍、危険人物含むと反発
(CNN) アフガニスタンの司法当局は13日、米国からの反発を無視しバグラムの刑務所に収監されている65人の釈放を実施した。アフガン駐留米軍は治安部隊と民間人に脅威を与える人物が含まれていると非難しており、両国の対立が深まる可能性がある。
両国間では、今年末までの米軍戦闘部隊の完全撤収を踏まえた治安対策で米軍や多国籍部隊の駐留継続の合意成立が主権問題などが絡んで難航している。
アフガン側は今回の釈放について、検察当局が計88人の受刑者を注意深く審査した結果としている。司法当局の報道担当者は65人については投獄を科す十分な証拠がないと述べた。
一方、駐留米軍は声明で、米軍や多国籍軍兵士ら32人、アフガン治安部隊の兵士や民間人ら23人の死傷に直接関与した者が釈放されていると主張。米国、アフガン間の協定違反であり、アフガンの法の統治に逆行する重大な措置と強調した。
今回の決定がアフガンの法制度の判断に委ねられた時間の短さを考えれば、検察当局を含め65人の犯罪行為を示す証拠が真剣に吟味されなかったことを示すとも主張した。
米軍の声明では、65人の一部は反政府勢力タリバーンの爆発物専門家と疑われ、アルカイダとの密接な関係も指摘されるハッカーニ派の司令官らも含まれていると指摘した。
アフガン当局が決めた刑務所の受刑者釈放が米国との摩擦材料になったことは過去にもある。今年1月にはバグラムの刑務所から72人を釈放させたカルザイ同国大統領の判断を米国務省が批判していた。当時、アフガン国家保安局は72人の服役を正当化させる証拠はないとの報告書を提出していた。