機長のシミュレーター、データの一部消去 マレーシア機不明
クアラルンプール(CNN) マレーシアの運輸当局は19日、行方不明になっているマレーシア航空機の機長の自宅から押収したフライトシミュレーターを調べた結果、一部のデータが消去されていたことが分かったと発表した。
シミュレーターでは過去のシミュレーションのデータを保存しておいて再生することが可能。しかし運輸当局は、消去されていたデータの内容や、消去したと思われる人物については明らかにしていない。
当局は消去されたデータの復旧を試みており、司法関係者によれば、米連邦捜査局(FBI)などの専門家が機長のシミュレーターのハードディスクドライブ(HDD)のほか、副操縦士のコンピューターのHDDを調べているという。
オバマ米大統領は19日に米ダラスで行った演説で、同機の捜索を「最優先課題」と位置付け、全力を挙げて捜索に協力する姿勢を示した。
同機が8日に消息を絶ってから既に12日が過ぎ、捜索は約770万平方キロと、米国の本土にほぼ匹敵する広大な範囲に及んでいる。米政府当局者は、この範囲のうちインド洋の南の海域は可能性が最も高いと指摘。しかしこの海域は船舶の航路からも商用機のルートからも外れており、島はなく、漁船もほとんどいないことから、捜索はまだ何週間も続く可能性があると予想している。