「中国の夢」、幻想か現実か
北京(CNN) 米国人の誰もが「アメリカン・ドリーム」を夢見るように、中国人にも夢がある。習近平(シーチンピン)国家主席は、指導者の座について以来、このような「中国の夢」について熱弁してきた。庶民の夢について、中国でこれほど強力かつ雄弁に語られるのは、かつてないことだ。
習主席が初めて「中国の夢」に言及したのは2012年、中国共産党総書記に就任して直後のことだ。北京の国家博物館で「復興の道」展を見学した習氏は談話を発表、中華民族の偉大な復興を実現することこそ中国の夢だと述べた。
さらに国家主席に選出後の13年3月17日、主席としての初めての演説で、「中国の夢」を前面に押し出した。「中国の夢は民族全体の夢であり、一人ひとりの中国人の夢でもある。中国の夢とはつまり人民の夢だ。人民と共に実現し、人民に幸せをもたらすものだ」と語ったのである。
宣伝キャンペーン
この演説以来、「中国の夢」という言葉は一気に人口に膾炙(かいしゃ)した。政府がこのスローガンを強力に宣伝したことも大きい。学会やテレビ番組など、至る所で「中国の夢」が中心テーマとして取り上げられるようになったのである。