ギニアのエボラ感染が「前例のない大流行」 死者78人に
(CNN) 西アフリカのギニアでエボラ出血熱による死者が増え続けている。隣国でも死者が発生するなど国境を越えて感染が拡大する様相を見せており、国際医療支援団体の「国境なき医師団」(MSF)は31日、「前例のない大流行」に危機感を示した。
MSFによると、エボラ出血熱の感染が疑われる患者は計122人、死者は78人に達した。患者はギニアに集中しているが、世界保健機関(WHO)の3月30日の報告によれば、隣国シエラレオネで死亡した2人と、リベリアで死亡した1人もエボラ出血熱にかかっていた疑いがある。
ギニアでは国境付近の3地域のほか、首都コナクリでも症例を確認。MSFの担当者は、「同国としてかつてない規模で流行が広がっている」と指摘する。過去の流行は都市部から離れた限られた地域のみでほぼ食い止められていたという。
しかし今回は地理的に拡大していることから、流行を食い止めるための対策は困難が予想される。
エボラ出血熱は高熱や頭痛などの症状を引き起こし、感染すると90%の確率で死亡する。有効な治療法は存在しない。ギニアで流行しているのは、エボラ出血熱の中でも特に致死性が高い「ザイール株」というウイルスだという。